悲しみや苦しみを胸に抱えて、それでも乗り越えて、前に進もうとするすべての人に。
一生懸命に生きているすべての人に。
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【陸前高田の奇跡の一本松から】
神様はいじわるだ
どうして
どうして
どうして……
夢だったらいいのに
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何もできなかった
何も
何一つ
何も
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朝なんか こなきゃいいのに
また朝はやってきて
何度も何度もやってきて
見たくもないのに 春が来た
こんな世界 いらないのに
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でも
ふと気づいたら
芽が…
何も知らずに生まれてきた
小さな小さな命
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見守ってください お願い
この小さな芽を
小さな僕を
一生懸命生きる僕たちを
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2011年3月11日。
東北地方を巨大な津波が襲い、福島県、宮城県、岩手県では特に甚大な被害が出ました。
陸前高田市の死者・行方不明者は2,000人近くにのぼり、市街地や海沿いの地域は壊滅だったそうです。
美しかった砂浜も松林も街も人も、海が飲み込んでいきました。
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岩手県の陸前高田市で、復興のシンボルとなったのは、砂浜に沿うように並んだ美しい松林の中で、たった一本だけ残った「奇跡の一本松」。
約7万本もの松が並んでいた高田松原の中で、唯一、津波に負けずに残ったのです。
今はレプリカになっていますが、きっとこの一本松は、復興を願う陸前高田市の人たちに勇気を与えてきたことでしょう。
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住所:岩手県陸前高田市気仙町砂盛176-6 高田松原津波復興祈念公園内
電話:0192-22-8911
定休日:なし
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被災していない私に言えることは何もありません。
何もないけれど、被災した方々の苦労や悲しみや後悔は計り知れないけれど、亡くなった方々や思い出が、生き残った人たちを見守ってくれていると思いたいです。
海に還った人たちの魂は、絶対にそこにいて、
悲しみを抱えながら一生懸命に生きる人たちを、見守って、支えて、励ましてくれている。
だから、自分を責めて、苦しまないでほしい。大切な人たちは、ずっと、見守っているはず。
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この絵本の詩というか文章は、何年も前に書いていましたが、辛くて作品にはしていませんでした。
いつか形にしたいなとは思いつつ。
でも、先日、陸前高田市出身の方のお話を聞く機会があり、絵を描いて絵本として完成させようと思いました。
内容は
津波で生き残った芋虫くんが、悲しみと後悔の中で何度も夜を越えます。何度も何度も朝が来て、大切な人のいない世界に絶望しながら何日も何日もその日を過ごしていく。
そして春が来る。
そして、ある時、ふと気づくのです。新しい命が芽生えていることに。
自分が生きていることを思い出し、新し命に心を動かされ、何とか前を向いて生きていこうとする。
というお話です。
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Rikuzentakada kiseki no ipponmatsu
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2022.3.30 完成
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