以前、山形をドライブしたときに車から陸羽東線を見てレトロな魅力に気づき、いつか乗ってみたいと思っていました。
レトロな駅や映画に出てきそうな緑に囲まれたトンネル、素朴でかわいい車体、そして宮城と山形の美しい山々と水田。乗ったら、どんな景色が車窓に見えるのか、知りたい。
今回は、年末の陸羽東線の旅。最東端の小牛田駅から、最西端の新庄駅まで片道約2時間の旅を、紹介します。

【小牛田駅から新庄駅まで】
片道1,880円、約2時間、各駅停車の旅です。

2両編成、ワンマンカーで小牛田駅を出発。
電車のドアはボタン式になっており、乗りたいときにはボタンを押すと、ドアが開きます。ドアを閉めるときも同様に、内側の「開ける」「閉める」のボタンを押します。
都会の皆さま、ボタンを押さないとドアは飽きませんのでご注意を。

車体に、愛称の「湯けむりライン」の表示があります。緑、黄色、オレンジの葉が重なった模様です。陸羽東線周辺の豊かな自然と、季節ごとにみられる表情の美しさを表現しているのでしょうか。

乗車すると、中には思ったよりも人が乗っていました。
2両編成でスタートです。

座席は進行方向に対して右側が2人掛けのボックス席、左側が1人がけのボックス席(というか対面席)でした。向かい合っている座席と座席の間が結構狭くて、ひざとひざが触れ合う距離感です。しかし、これはこれで味わいがあります。
古川駅で、人が結構降りました。古川には東北新幹線が通っているため、大きな駅となっています。
あ、国道47号線沿い、岩下こけし資料館の入り口にある巨大な「こけし」を発見。
鳴子温泉のある鳴子は「こけし」の産地です。

この辺りから、特に車窓の景色が良い雰囲気になってきます。
駅は、ほとんどの駅が無人駅です。

小さなホーム、小さな駅舎。素敵です。
景色は田園や山、川が増えてきます。

温泉郷の近くの駅が近づくと、温泉街や湯けむりが見えます。
列車のドアが開くと微かに硫黄の香りがしてきます。少し寂れた温泉街の景色も、郷愁を誘う味わいがあり、良い感じです。
赤い橋と、川が見えました。

年末だったせいか、学生の2人連れやグループなども乗っており、楽しそうにおしゃべりをしたり景色をスマホで撮影したりと楽しんでいました。そして、鳴子温泉や瀬見温泉などで下車していきました。仲間と冬休みの旅行、いいですね。
山々には、先日降った雪が少し残っており、きれいでした。もっと雪深い時期や、紅葉、新緑の季節、夏も綺麗なことでしょう。また来たいです。
JR陸羽東線は窓が大きく、その美しい景色を存分に楽しめる仕様になっています。
ちなみに、進行方向に対して左側の席(4人ボックス席)の方が、迫りくる山々や、温泉郷の各駅をしっかり見ることができるのでお勧めです。

景色や、窓側に来る駅が変わるので、行きと帰りで反対側の席に座るのもよいと思います。

【新庄駅に到着!】
新庄駅に到着しました。

新幹線の始発駅です。山形新幹線、かっこいい!!!

2024年3月16日に、新車両「E8系」が走り始めるそうです。

楽しみですね。
ちなみにホームに掲げられた歓迎の垂れ幕の
”新庄は、かなりソバである”
にも、かなりグッときました。
そうだ、新庄名物は”ソバ”だ!!
そうだ、新庄はあなたのすぐそばだ!!!
そうだ、新庄に蕎麦を食べに行こう!!!!
ということですね。ぜひ新庄をよろしくお願いします。山形のお蕎麦は、本当に美味しいです。そば巡りの旅に来てください。と、勝手に思っております。
さて、改札を抜けると、新庄の文化を感じられる展示や工夫が色々あります。
まず出迎えてくれるのが、新庄まつりの山車の展示です。細かく精巧に作られており、華やかです。

右に進むと、山形のキャラクター「きてけろくん」です。山形県が人の横顔の形をしているところから生まれたキャラクターです。帽子には、山形名産のさくらんぼが。
かわいいです!ぜひ一緒に記念撮影を。

駅に併設されている、最上広域交流センターゆめりあの物産館の前には、巨大な凧も展示してありました。立派です。

未来創造戦士ユメリオン。
最上広域交流センターゆめりあの交流スペースでは、モニターに最上地域の生活情報等を上映しているのですが、その中で、こちらの「ユメリオン」も住宅を紹介したりと活躍していました。その内容は、ちょっとユーモアもあって面白い内容になっています。
ゆめりあへ行ったら、ぜひ見てみてください。悪役とのやりとりも、何やらユーモラスです。

新庄駅の外観です。

【新庄駅周辺散策】
①鴨料理と十割蕎麦かもん 新庄本店

鴨団子汁そば(1,100円)です。

美味しい!!たまらなく美味しい!!!
つけ汁が熱々で、そこに鴨肉をしゃぶしゃぶして食べます。
やみつきになりそうな美味しさでした。次回も絶対食べます。そして、次回はそばをお替りするぞ、絶対するぞ、と心に決めています。
お店は駅に併設されているのでアクセスも抜群。駅を出て左に進むこと10秒。
ネットでは11時30分開店とありましたが、その10分ほどに行ったところ、もうお客さんが入ってそばをすすっていました。電車の到着時間に合わせているのでしょうか。ありがたいです。
お蕎麦は、テイクアウトもあるので、気に入ったら帰りにお土産にも。
②戸澤神社(最上公園内)

駅から徒歩約20分の場所にある最上公園(新庄城址)に行きました。
お堀に架かる橋を渡ると、そこには戸澤神社がありました。今回は、こちらでお参りをして帰りました。冬の静かで落ち着いた雰囲気が楽しめます。
お堀のそばで、くつろぐ鴨たちを発見しました。みんな一列に並んで、羽に顔をうずめていました。
「寒いよね。」
「本当ね。寒い寒い。」
という、鴨たちの声が聞こえてきそうです。ちょっとほっこりする光景でした。かわいいです。

③マルシャン北欧 新庄店
最上公園すぐそばにあるパン屋さんです。

定番から、オリジナリティあふれるものまで、たくさんの種類のパンが並んでいました。
私は「メープルメロンパン」と、名前は忘れましたが韓国風のパン(ウィンナーと目玉焼き、コチュジャンが乗っていたと思います)を購入しました。会計を済ませて帰ろうとしたところでコーヒーを売っているのを発見したので、注文してイートインスペースで休憩することにしました。
お店の奥にあるイートインスペースは、こじまりとしていますが、テーブルと椅子があり、ほっとする空間でした。コーヒーとパンも、美味しい!
食べながらお店の様子を眺めていると、次々とお客さんがやってきました。人気のあるパン屋さんのようです。
ごちそうさまでした。元気が出ました。
④「最上広域交流センターゆめりあ」で休憩
ゆめりあは、駅に併設されている交流センターです。
広い交流スペースにはテーブルやいす、ベンチなどもあり、自由に休憩したり交流したりお茶を飲んだりすることができます。
物産館やカフェ、化粧室もあります。
⑤もがみ物産館
ゆめりあ内にある物産館。こちらで最上地方や山形のお土産を購入できます。
名物の「くぢら餅」をはじめ、漬物や笹餅、お菓子、お酒、お蕎麦、お米などが並びます。また、温泉がたくさんあるということで、温泉の素なども売っています。「きてけろくん」など山形のキャラクターグッズも多数あります。
⑥てぃーるーむピノキオ
新庄駅から徒歩約3分の喫茶店です。
地元の方にも観光客にも愛されているお店のようです。
店内はテーブル席が4つとカウンター席で、こじんまりとしています。しかし、メニューはドリンクメニュー、パフェ、パスタ、サンドイッチ、ピラフなど豊富でした。しかも、安くてボリュームがすごいです。

本当は、名物の巨大「チョコレートパフェ」を食べたかったのですが、お腹がいっぱいだったため、断念しました。悔しいです。しかし、次々と来る観光客らしきお客さんたちは皆さん必ず「チョコレートパフェ」を注文していたので、観察しました。
ネットの口コミの通り、本当に巨大で美味しそうです。高さは25cm(推定)。盗み見た&盗み聞きした感じでは、バナナ1本、バニラアイス2こ、生クリームもりもり!という感じです。
新庄を訪れた際にはぜひ、挑戦してみてください。
紅茶を飲みながら、ふと壁を見ると
「新庄焼きそば 400円」
の張り紙を発見。
気になってお店の方に、
「有名なんですか?」と聞いたところ、お祭りなどで出店がよく出ていると聞いたので、食べてみることにしました。
お腹がいっぱいだったので、お店の方にテイクアウトをできないか聞いてみたところ、OKをいただいたので、購入して夕ご飯にいただきました。(無理を言ってすみません。ありがとうございます。)

新庄の「三浦焼そば店」が発祥で、新庄に広がった。お祭り屋台でもよく出るそうです。「新庄焼きそば」という名前は市長さんが命名されたとか。
醤油で味付けされた麺に、キャベツ、桜エビが乗っており、青のりと紅ショウガがトッピングされていました。醤油味なのでさっぱりしていますが、エビの風味が広がり、キャベツの歯ごたえも合って美味しかったです。
他にも、新庄焼きそばを出しているお店があるようなので、何件か食べ比べをしても面白いかもしれません。
【街中で気になったもの】
①歩道の融雪装置
さすが雪国!!!初めて見ました。

「日本でいちばん小さなセントラルホテル」の看板が。
泊まってみたくなりますね。山形の方は、PRが上手です。

駅前の融雪装置。ホースに穴が開いています。ここから水やお湯を出して雪を解かすのだと思います。面白い。

【まとめ】
JR陸羽東線の旅、いかがだったでしょうか。
美しい景色を堪能できるJR陸羽東線と、風情ある新庄の旅、おすすめです。
日帰りでも十分楽しめますが、時間があれば、途中下車して瀬見温泉や鳴子温泉に一泊するのも素敵です。
好きな季節を狙って、陸羽東線の旅してみませんか。
2024年は元旦から自然災害、それに関連した事故などが続き、心が痛む年始となりました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
一刻も早く皆様の生活が落ち着きますように。また、大切な人を亡くされた方々、大切なものを失われた方々に心よりお見舞い申し上げます。どうか、少しずつでも復興・復旧し、少しでも、少しずつでも、穏やかな気持ちになれますように。
また、さまざまな面から救助や復旧に尽力されているたくさんの方々に、心から敬意を。
コメント